防弾チョッキとガスマスク：就任式の日に準備するジャーナリスト

12月末、ロサンゼルス・タイムズワシントン支局長のキンブリエル・ケリーは、スタッフへの贈り物としてモレスキンノートを買おうと考えていた。数週間後、彼女は水曜日のジョー・バイデン次期大統領の就任式に出席するLAタイムズのスタッフのためにガスマスク、ヘルメット、防弾チョッキなど、明らかに異なる種類の物品を調達していた。

LAタイムズのような報道機関は、就任式に向けて記者たちに備えて保護具を配布し、安全訓練を実施した。ワシントンD.C.の式典周辺で抗議活動やデモが起こるのは典型的なことだが、1月6日の暴動の後、ジャーナリストらは新たな暴力行為の発生に備えている。

「適応しなければならない人間としての自分の役割がすぐに分かりました」とケリーさんはCNN Businessに語った。「私の目標は、スタッフを守り、記者を守り、全員が確実にケアされるようにすることです。」

ＣＮＮが先週入手した速報によると、ＦＢＩはバイデン氏の就任式までの数日間に全５０州議会議事堂とワシントンの連邦議会議事堂で「武装抗議活動」が計画されていることを示す情報を入手したという。国防総省は、就任式に最大2万5000人の州兵を参加させることを承認した。

国会議事堂襲撃から数日が経ち、当局とメディアは、その日視聴者が生放送で見たものよりもさらにぞっとするような暴力的な襲撃の様子を描く詳細と画像を発掘した。その後数日で公開された画像の中には、その場にいたジャーナリストを暴徒が攻撃している様子を映したものも含まれている。

米国プレス・フリーダム・トラッカーの編集長カースティン・マッカデン氏はポインターに対し、暴動の取材中に少なくとも９人のジャーナリストが身体的暴行を受け、少なくとも５人のジャーナリストが逮捕され、少なくとも４人が機材を損傷したと語った。

1月6日に国会議事堂内で取材中、ロサンゼルス・タイムズの議会記者サラ・ワイヤーは避難頭巾を手渡され、ルーベン・ガレゴ下院議員から使い方の指示を受けた。水曜日の就任式では、ワイヤー氏は暴力に対してさらに備えることになるだろう。ロサンゼルス・タイムズ紙は彼女に防弾チョッキ、ヘルメット、ゴーグル、ガスマスクを送ったが、これらはすべて彼女がこれまでフィールド上で着用したことがなかったものだ。

ワシントン・ポスト紙で27年間編集長を務めるベテラン、トレイシー・グラント氏は、就任式の報道は通常「非常に予測可能」だと語る。米国憲法の定義によれば、政権移行は1月20日正午に行われる。しかし、ジョー・バイデン氏とカマラ・ハリス氏の就任に関するその他の詳細は不透明だ。

「非常に規範的で儀式的なことはすべて宙に浮いてしまった」とグラント氏は語った。「これについては何も予測できなかったので、私たちは最後の瞬間まで状況が変わることに備えています。」

パンデミックはすでに報道にハードルを生み出しており、現場のレポーター、プロデューサー、カメラマンは就任式当日も引き続きこうした課題や不安に直面することになる。

BuzzFeed Newsの政治担当記者ポール・マクロード氏は先週、就任式を前に「少し安心した」とCNNビジネスに語った。多くの暴徒がマスクをしていなかった1月6日の出来事を取材した後に受けた新型コロナウイルス検査で陰性だったためだ。

USAトゥデイの上級マルチメディアプロデューサーで黒人であるジャラド・ヘンダーソン氏は、「少し不安」を感じていると語った。就任式について。

「この時期、私が黒人フォトジャーナリスト、黒人ジャーナリスト時代の標的になるかどうかは分かりません」とヘンダーソン氏は語った。「とても疲れる。いくつかの脅迫が行われている。先週国会議事堂のドアの側面に刻まれた『メディアを殺せ』という文字を無視することはできない」。

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メディア組織は最近、この分野のジャーナリスト向けにヒントとガイダンスを送信しました。ラジオ・テレビジョン・デジタル・ニュース協会（RTDNA）は先週、内乱下での「倫理的かつ安全な」報道に関するジャーナリスト研修・リソースセンターを立ち上げた。

「今は米国現代史の中で、この分野のジャーナリストにとって最も危険な時期だ」とRTDNAエグゼクティブディレクターのダン・シェリー氏は日曜日の「信頼できる情報源」でCNNのブライアン・ステルターに語った。「これは本当に蔓延しています。これは連邦議会議事堂だけではありません。州都だけではありません。50 州すべての大小のコミュニティに存在します。」

グラント氏は、ポスト紙の就任式当日を取材するすべての記者は、論争の多い状況で意思決定を行う方法を教えるトレーニングプログラムの再教育を受けることになると述べた。ポストジャーナリストにも防護服が支給された。

昨日、次期米国大統領の就任式を安全に（そして暖かく）取材できるように、防弾チョッキの上に着られる新しい冬用のコートを買いに行きました。なんとも不条理な文章を書くことだろう。 https://t.co/zH89jT4HGa

USA Today、The Detroit Free Press、The Arizona Republic、その他何百もの地元紙を発行する米国最大の新聞複合企業であるガネット (GCI) は、過去 1 週間にいくつかのトレーニングとパネルディスカッションを主催しました。 3,000人以上のガネット（GCI）ジャーナリストが先週水曜日のパネルディスカッションに耳を傾け、ヘンダーソン氏と国会議事堂にいて他の抗議活動を取材してきた他の人々が専門知識を共有した。

USAトゥデイ・ネットワークのローカルニュース担当シニアバイスプレジデント、アマリー・ナッシュ氏は、スタッフが「髪が長い場合、髪を引っ張られる可能性があり、標的にされる可能性があるため、髪を伸ばすことを考えるべきでしょうか？」と尋ねたことを思い出した。 ; 「携帯電話が故障した場合に申告する最善の方法は何ですか?」; 「状況が不安定になった場合、その状況から抜け出す最善の方法は何ですか?」

BuzzFeed Newsのマクロード氏は、就任式当日はランニングシューズを着用し、防弾チョッキとヘルメット、防毒マスク、ゴーグルを収納したバックパックを着用する予定だと語った。彼は1月6日にこれらのアイテムの一部を着用していた。

クーデター未遂の奇妙なサウンドトラック。 pic.twitter.com/NMSuvTi6th

マクロード氏は就任式に向けて、報道関係者であることが分かるようなものは何も着ないつもりだと語った。彼がトランプ集会と暴動との顕著な違いに気付いたのは、群衆の攻撃性だった。

マクロード氏はトランプ氏の集会の取材について、「メディアへのブーイングという派手な演出や劇場にもかかわらず、その後人々に話をしに行ったとき、私の経験から言えば、彼らは実際にはかなり礼儀正しいものだった」と語った。「（6日の）ある人に対して、自分が記者であると名乗ったところ、その人は私に向かって叫び始め、私が記者であると周りの他の人々にも叫び始め、あらゆる種類の注意を私に向けようとしました。私はそこから立ち去りました、そして明らかに、誰に対しても自分をレポーターだと名乗るのをやめた。」

ニュース編集室ではジャーナリストがチームで仕事をするようになっており、一人で現場に出ることがないようになっている。警備員を雇っているところもある。チェダー社の最高コンテンツ責任者であるピーター・ゴレンスタイン氏はDIGIDAYに対し、当日は現地にいる記者2名に警備員が配置されると語った。

たとえ暴力の可能性があるとしても、ジャーナリストたちは、彼らにはそこにいる義務があると言う。

「外出するのは危険だが、外出しないのはもっと危険だ。誤った情報を広めるのはもっと危険だ」とUSAトゥデイ紙の編集長ニコール・キャロル氏は日曜日の「信頼できる情報源」でステルターに語った。「ですから、我々は準備を整え、注意を払い、自分たちの仕事を遂行するつもりです。」

USAトゥデイのプロデューサーであるヘンダーソン氏も、歴史を記録するメディアの役割と責任についてキャロル氏の意見に同調した。

「私は、外出しようとしている人、準備をしている人、すでにこの状況を経験している人、個人的および職業上のトラウマにもかかわらず、この歴史を記録するためにまだ外出している人たちに拍手を送ります」とヘンダーソン氏は語った。